<質問>
「障がい者グループホームでマンションなどの建物を活用できますか?」
複数の居室と共同スペースを設ける「共同生活住居」を借りたり、購入したりするのは大きな出費になります。
そこで既存の建物の一部のスペース、例えばマンションなどを利用してグループホームができれば費用面で利点があるように思えます。
<この記事でわかること>
・グループホームにマンションを使うときに気を付ける注意点がわかります
・グループホームで使えるマンションを探すときのポイントがわかります
マンションをグループホームに、どのように活用できるの?
障がい者グループホームを運営する基本となる設備は「共同生活住居」と呼ばれます。
※「共同生活住居」とは?
居間、食堂、便所、浴室等を共有する建物
普通ですと一軒家をイメージしますが、以下で説明する2パターンで例外的にマンションを活用してグループホームを開業することができます。
複数人が利用可能なマンションの一室
複数の利用者が共同生活を営むことが可能な広さのマンションの一室があれば、その一室を例外的に「共同生活住居」として捉えることができます。
イメージとしては大きな学生寮のようなもので、大きな一室の中に複数の寝泊まりする小部屋があり、キッチンや浴室などは共有になっている設備です。
<物件を見つけるポイント>
このような複数人が利用可能なマンションの一室は、市場に出ている数としては少ないでしょう。
<お役立ち情報>
従って、既に移転した会社の元寮や、以前学生寮として使われていた施設を地域の不動産屋さんに問い合わせて探すのが一番かと思われます。
他方で複数人が利用可能のマンションを建設するという手もありますが、場所によってはグループホーム以外に使い用がないので、先々のことを考えて慎重になった方がいいかと思います。
複数のマンションの一室をまとめる
ワンルームタイプの複数の部屋をまとめて「共同生活住居」として定めることができます。
こちらは想像がつきやすいように、一つのマンションの部屋のいくつかをグループホームとして指定し、一軒家の形態と変わらない支援を行います。
<物件を見つけるポイント>
マンションの居室だけで考えると簡単に見つけることができますが、ポイントはまず4室以上揃えないといけないということです。
そして各々の部屋が離れ離れになっているというよりは、「共同生活住居」の趣旨を踏まえて、地域の中で家庭的な雰囲気の下、共同で暮らせるよう支援しなければなりません。
<お役立ち情報>
比較的家賃が安く、旧耐震に引っかからない程度の古い物件で、空きが複数見つかる少し郊外のマンションなどを探してみましょう。
マンションでグループホームを開業する注意点
障がい者グループホームの「共同生活住居」とは、マンションを活用しても2通りの仕方で開業することが可能です。
それなら一軒家や一棟建てるよりも費用が安くなり簡単と思うかもしれません。
しかしマンション利用で気をつけるべき注意点がありますのでご説明いたします。
近隣住民への説明を慎重に
まずマンションを活用する場合は、その一室で開業するので他の部屋には住民の方がいることを忘れないでください。
家主は当然として、近隣の住民の方にも事前にグループホームで活用する旨を説明しておくとトラブルが少なくなります。
<注意点>
特に精神障害の方は徘徊や騒音で近隣の方とトラブルになることがあり、もしマンションを活用して開業する場合は支援者がその点を踏まえて支援計画を立てる必要があります。
消防設備の負担が大きくなる可能性
障がい者グループホームはその大きさや内容で必要となる消防設備が変わりますが、マンションの一室を利用する場合、特定複合用途防火対象物と見做されて追加の消防設備が必要となることがあります。
また場合によっては、そのグループホームとして利用する一室だけでなく、マンション全体にも特殊な消防設備を配置する必要があり開業費用の負担は大きくなります。
詳しくは別の記事で説明いたしますが、マンションでグループホームを開業する際の大きな課題の一つは消防設備であり、それゆえマンション利用の企画の段階から、事前調査など用意を万全にいたしましょう。
まとめ
障がい者グループホームを開業する際の大きな課題は共同生活住居の確保です。
一般的には一軒家を購入又は賃貸して開業することが多いですが、例外的にマンションを活用すると費用の面などメリットが多いです。
ただマンションで開業するときは環境や消防設備の面で注意点も多いのでお気をつけください。
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