障がい福祉事業に「3階建以上の戸建て」を活用する注意点とは?

障がい福祉事業に「3階建以上の戸建て」を活用する注意点とは何でしょうか?

近年、空き家の総数は20年間で1.8倍も増えおります

このように既存の建物が活用されないのには理由があって、別事業に転用するとなると建築基準法上の条件をクリアしないといけないからです

そこで平成31年に法律が改正され、別事業に転用するための建築基準法上の条件が緩くなりました

もし地域の空き家が障がい福祉事業などに転用できれば、地域の福祉は増進されますよね。


この記事を読めば、「3階建以上の戸建て」を使って障がい福祉事業を始める時の注意点が分かります


これまでお付き合いのある障がい福祉事業者さまから、「地域の不動産会社に空き家を紹介されたけど開業費用がかかりそうだから断った」とお話を伺うことが何度かあります

けれども実は平成31年の法改正により以前よりもハードルは下がっているので検討の余地はあるはずです

本日はそんな障がい福祉事業のための建築基準法改正のポイントをお伝えいたします。

障がい福祉事業に「3階建以上の戸建て」を活用する注意点とは?

これまで「3階建以上の戸建」を他の用途に転用する場合、次のような規制がありました。

・壁/柱等を耐火構造にする

・非常用証明を設置する

そこで気になるのは、

平成31年の法改正により規制の基準はどのように変わったのか?

ではないでしょうか。

こうした以前の基準と比較して改正のポイントをお伝えいたします。

壁/柱等を耐火構造にしなくていい(200㎡未満)

障がい福祉 不動産

今回の建築基準法の改正の一番のポイントは、

使用面積が200㎡未満であれば、壁/柱等を耐火構造にしなくていい

という点です。

もし壁/柱等を耐火構造に改修する場合、建物の基礎補強工事までしなくてはならないので、費用は約200万円程度かかります

仮に障がい福祉事業を開業するのに、開業費用が追加で約200万円かかれば大きな痛手ですよね

それゆえ、建築基準法の法改正のおかげで「3階建以上の戸建」を障がい福祉事業に転用しやすくなったのです。

早期に避難できるための装置の設置

ただし耐火構造の改修はしないからと言って、他に何もしないでいいというわけではありません。

特に障がい福祉事業では、利用者の方が身体や精神に不自由があるので特別の配慮が必要になります。

その障がい者用の特別の配慮とは、

早期に避難できるための装置の設置

です。

具体的には、「自動火災報知器」などの警報設備を設置することが挙げられます

仮に利用者が就寝中であっても逃げ遅れないように警報設備を設置することで、普通の「3階建以上の戸建」を福祉事業に相応しい形に変えられるのです。


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階段の安全措置

障がい福祉 不動産

「3階建以上の戸建」の場合、緊急時には階段を使用して避難することが一般的です。

この階段による避難に関しても、身体や精神に不自由がある方向けの特別の配慮をしなければいけません

具体的には、障がい者の方は避難するのに通常より時間がかかると想定し、避難経路となる階段を煙から守る措置をいたしましょう

例えば階段周辺ににスプリンクラーなど設置することは有効です。

スプリンクラーは火災を早期に察知し、初期消化に有効に働くので、結果として煙の量は減るでしょう。


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非常用照明の設置

障がい福祉 不動産

こちらも同じく「3階建以上の戸建」の建物で、

いかに障がい者が避難しやすい構造にするのか

がポイントになっています。

そこで「非常用照明の設置」が障がい福祉事業の「3階建以上の戸建」の建物では求められます。

非常用照明があれば、夜間であっても避難経路が明確になり、突然の事態に対応することができます。

非常用照明は値段も1万円弱くらいで見つかり手頃な価格で手に入れることができます。

防火区画の設置

障がい福祉 不動産

最後に「3階建以上の戸建」の建物を障がい福祉事業に転用するための措置として「防火区画」を設けましょう。

具体的に言えば「扉」「間仕切壁」などで防火区画を作っていきます。

そうすることで、火災時に火炎が急激に燃え広がることを防ぐことに役立ちます

このように「3階建以上の戸建」の建物を使って福祉事業を始めるには、建物の至ところで災害を想定して細やかな配慮をする必要があります。

障がい福祉事業のサービスごとに必要な消防設備とは?

これまで平成31年度の建築基準法改正のポイントを確認してきました。

「3階建以上の戸建」の建物で「耐火構造にする条件」が緩和されたことは大きなポイントです。

そして分かるのは、その規制と消防設備の設置が密接に関わっていることです。

障がい福祉事業に必要な消防設備は、サービス内容ごとに様々ですので、開業予定の事業内容によっては建築設備と合わせて消防設備も一緒に準備できたら便利ですよね。

そこで障がい福祉事業のサービスごとに必要な消防設備の概略をお伝えいたします。

消防法令6条ロのグループ

障がい福祉 不動産

どの障がい福祉事業にどのような消防設備が必要なのか判断するには、消防法令の6条を確認いたします。

そこで障がい福祉事業は全体で二つのカテゴリーに分類されているので、まず6条ロのグループから紹介いたしましょう。

6条ロのグループには以下の障がい福祉サービスが含まれます。

カテゴリー1(消防法令6条ロ)

子どもの障害福祉:障害児入所施設

大人の障がい福祉:障害者支援施設 / 短期入所を行う施設 / 共同生活援助を行う施設

そしてこのような障がい福祉サービスに必要な消防設備の条件は次のとおりです。

消防設備条件
消化器すべて設置
自動火災報知器すべて設置
火災通報装置すべて設置
スプリンクラー設備すべて設置
屋内消火栓設備(基準)700㎡以上
屋内消火栓設備(2倍)1000㎡以上
屋内消火栓設備(3倍)1000㎡以上

消防法令6条ハのグループ

次に6条ハのグループのグループに適用される必要な消防設備について説明いたします。

まず6条ハのグループに含まれる障がい福祉サービスは次のとおりです。

カテゴリー2(消防法令6条ハ)

子どもの障害福祉:児童発達支援センター / 児童発達支援施設 放課後等デイサービス施設

大人の障がい福祉:身体障害者福祉センター / 地域活動支援センター / 就労移行支援施設 / 就労継続支援施設

そしてこのような障がい福祉サービスが必要とする消防設備を表にまとめると以下の通りとなります。

消防設備条件
消化器150㎡以上は設置
自動火災報知器入居・宿泊あり:すべて設置
入居・宿泊なし:300㎡以上は設置
火災通報装置500㎡以上は設置
スプリンクラー設備6000m²以上は設置
屋内消火栓設備(基準)700㎡以上
屋内消火栓設備(2倍)1400㎡以上
屋内消火栓設備(3倍)2100㎡以上

まとめ

・使用面積が200㎡未満であれば、壁/柱等を耐火構造にしなくていい

・「自動火災報知器」などの警報設備を設置すること

・スプリンクラーなど設置すること

・非常用照明の設置をすること

・防火区画を設けること


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