木造3階建をグループホームに利用することは難しく断念した事例もあると聞きました。
グループホームとして木造3階建を利用することは、どのポイントに困難があるのでしょうか?
木造3階建は原則として耐火建物にしないといけない点がポイントです。
耐火建物にする多大な費用がかかり開業を断念するケースも知っております。
けれども実は耐火建物にする必要のない例外があるの、これからポイントと注意点をご説明いたします。
- 木造3階共同住宅を多大な改修費用をかけずに使用する条件がわかる
- 木造3階共同住宅を準耐火建物として利用する条件がわかる
- 適切な木造3階共同住宅を探すコツがわかる
木造3階建を耐火建物にする必要のない条件=準耐火建物の条件
建築基準法27条により、3階建の共同住宅は原則「耐火建築物」にする必要があります。
しかし耐火建物に改修するのは多額の費用がかかるため、木造3階建の共同住宅(通称「木三共」)はグループホームに不向きとも考えられています。
それならばどのような条件で木造3階建を耐火建物にしなくてもいいのでしょうか?
かつて会社の寮として使用されていて、グループホームとして活用できそうな物件もあるので是非知りたいです。
全ての木造3階建にあてはまるとは限りませんが、お金をかけて耐火にする必要のないケースもあります。
しかしその例外的な場合でも規制がないわけではないので、これからそのポイントと注意点をご説明いたします。
条件:延べ面積が200㎡未満
まず令和元年の法改正により、木造3階建の共同住宅を耐火建物にしなくていい条件は極めてシンプルになりました。
<耐火建物にする必要がなくなる条件>
木造3階建の共同住宅の延べ面積が200㎡未満であること
各階ではなく延べ面積が200m2未満という点にご注意ください。
ただ3階建てで200㎡だと各階は約70㎡になり、大規模が多い3階建てにしては小さい方です。
基本的には準耐火建物にする
ただし200㎡以上でも木造3階建てを耐火建物にする必要のない4つのルールがあります。
<耐火建物にしなくてもよいルール>
1 主要構造部を「1時間準耐火構造」とすること
2 避難上有効なバルコニーを各住戸に設けること
3 幅員3mの通路を建築物の周囲に設けること
4 3階の住戸の開口部は防火設備であること(※防火地域・準防火地域のみ)
けれどもグループホーム開業予定の物件のバルコニーがボロボロで、敷地も狭いので3mも幅がありません、、、
グループホーム開業のために何か対策はありますか?
大丈夫でございます。実はルール2の「避難上有効なバルコニー」とルール3「幅員3mの通路」の条件は緩和することができます。
ですので開業予定の候補地でも諦めずに以下の緩和のための条件を確認して検討してみてください。
<「避難上有効なバルコニー」の緩和のための条件>
・地上に通じる廊下、階段が直接外気に開放されていること
・廊下や階段に面する窓・扉が防火設備であること
<「幅員3mの通路」の緩和のための条件>
・各住戸に「避難上有効なバルコニー」が設けられていること
・地上に通じる廊下、階段その他の通路が直接外気に開放されたものであること
・通路に面する開口部は防火設備が設けられていること
・上下階の開口部との間には、延焼を防ぐ庇が設けられていること (両者の間が2m以上離隔なら不要)
ポイントは仮に周囲に3m幅の通路が設置できないのなら、緩和条件を満たすために少なくとも「避難上有効なバルコニー」は緩和せず条件通り設置しないといけない点です。
つまり開業予定物件の敷地の大きさは耐火建物にする必要がないための重要な条件ですので内見の時などお気をつけください。
まとめ
3階建の木造の共同住宅でも費用をかけずにグループホームを開業できるポイントを知れてよかったです。
できれば部屋数を多く取りたいので3階建ての物件を探していたので注意して選ぶようにいたします。
ありがとうございます。3階建の木造は比較的価格も安く空き家になっているのでグループホームで利用したいという声を聞くことがよくあります。
部屋数の多い3階建ては業者にとって魅力的な物件ですので、ぜひ安全で役に立ちそうな物件を探して福祉事業を始めていただければ幸いですです。