3階建のグループホームは耐火建築にする必要があるでしょうか?
建築基準法では、防火地域にある建物には次の通りの規制が設けられています。
(規模) | (構造) |
階数が3以上または延べ面積が100㎡を超える建築物 | 耐火建築物 |
上記以外の建築物 | 耐火建築物または準耐火建築物 |
そうすると3階建のグループホームは「耐火建築物」にして、柱周りに石こうボードを張るなど大規模な改修をしなければいけないでしょうか?
けれども法改正の結果、小規模な建築物を他の用途に転用しやすくする例外規定が設けられましたのでご説明いたします。
「3階建の物件でグループホームを始めたいけど大丈夫か気になる」という声が多数寄せられています。
この記事のポイント
・3階建のグループホームを耐火建築物にしなくてよい基準がわかります
・3階建のグループホームで他に必要となる建築物が何かわかります
・3回建のグループホームの建築基準を満たすためのコストが概算できます
3階建のグループホームは耐火建築にする義務あり?
結論から言うと、3階建のグループホームは耐火建築にする必要はありません。
ただし一定の条件を満たした場合に限ります。
すると、
この3階建のグループホームの例外的な条件とは何でしょうか?
と疑問が出てくるでしょう。
そこで近年の法改正の情報を整理してお伝えいたします。
延べ面積200㎡未満
2019年の6月25日の法改正で、3階建でも延べ面積200m2未満の「特定小規模特殊建築物」であれば、耐火建築物の対象から外れることになりました。
つまり障害者グループホームを開業する予定の物件の延面積が3階建でも200㎡未満であれば、柱周りに石こうボードを張るなど大規模な改修をする必要はありません。
3階建でも200㎡未満と言うことは、1階あたり約66㎡ですので、これを基準にしていただければ幸いです。
竪穴部分とそれ以外の区画
3階建ての建物をグループホームに使う場合は、各部屋(※竪穴部分)とそれ以外の部分を区画する必要があります。
ポイントは区画するため、ふすま・障子を利用してはならず基本は間仕切り壁や戸での区画が求められます。
間仕切壁とは「両面9.5mm以上の石膏ボード張り」など、また戸の具体例は「フラッシュ戸」が挙げられています。
戸の遮煙性能
障がい者グループホームの戸は、常時閉鎖 or 煙感知器連動で閉鎖するものとしましょう。
またポイントとしては、戸に遮煙性能が無ければならないことです。
グループホームの入居者は健常者よりも非常時に迅速な対応が取れない可能性があるので、戸という細部まで規制がされます。
警報設備は必要
ただし障害者グループホームは就寝用途ですので警報設備は必要になってきます。
ここでいう警報設備とは自動火災報知器のことです。
障がい者の利用者の方が夜も過ごすので万が一のために安全性の観点から自動火災報知器が必要になります。
自動火災報知器の費用については、感知器と発信器で約1万5千円程度になると概算ください。
まとめ
3階建の物件でグループホームを開業することは一定の条件を満たせば難しくはありません。
消防設備や建物内の構造は追加で改修できますが、建物の面積に関しては事前にしっかりと確認してください。
特に地面に占める建物の面積ではなく、建物全体でグループホームとして使用する面積の総合計が200㎡未満であることが重要ですのでご注意ください。
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