【戸建をグループホームに】階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

よくある質問

・「戸建や共同住宅その他の建物の一部を使用してグループホームを開業する場合、階段の基準はどのように考えればよいでしょうか?」
・「戸建からグループホームを始めたいけど条件がわからない」
・「間違えた物件を買うリスクが怖い」

近年、空き家が増加傾向にあり、住宅から他用途への転用による有効活用の推進が図られています。

特に床面積が200㎡超から建築確認が必要になるなど緩和措置が行われております。

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しかし障害者グループホームは建築基準法上の「特殊建築物」となります

・特殊建物とは?
(1)学校、病院、集会場、共同住宅など不特定・多数の者が利用する建築物
(2)工場、倉庫などの火災発生の危険性が高い又は火災時に重大な被害が生じる恐れがある建築物
(3)火葬場、汚物処理場など周辺環境に与える影響が大きい用途の建築物

この「特殊建築物」は床面積が100㎡を超える場合に、接道長さや周囲空地、主要出入口などの規定が付加されます

この記事のポイント

・戸建等をグループホームに転用する場合、階段はどうすればいいか分かる
・中古物件を購入する際に階段に関するチェックポイントが分かる
・グループホームの階段の要件が不十分な場合の対策が分かる

階段の取り扱いの注意点とは?

階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

戸建などをグループホームに転用する際にポイントは、

「寄宿舎」という建物の用途に適合させること

です。

・寄宿舎とは?
玄関、台所、便所、浴室などが原則として共用で、寝室だけが各入居者用に用意されている使用形態の建築物です。

それゆえに「寄宿舎」における階段の基準にすればグループホームでも大丈夫ということです

以下では開業予定物件のチェックポイントをお知らせいたします。

屋内階段の寸法

階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

まず障害者グループホームを開業する予定の物件の「屋内階段の寸法」に注意してください。

(部分)(寸法)
階段及びその踊場の幅75cm以上
けあげの寸法22cm以下(両側に手すりがあり滑りにくい素材なら23cm以下)
踏面の寸法21cm以上(両側に手すりがあり滑りにくい素材なら19cm以上)

各用語について少し説明すると、

・階段の幅:階段を正面にした横幅
・けあげ :階段の一段ごとの高さ
・踏面  :階段の一段ごとの奥行き

特に開業予定の物件を内見する際に気にしていただきたいのは「踏面の寸法」です

というのも、これまで住宅として利用されていた時の基準とグループホーム等の「寄宿舎」としての基準が大きく違うからです

(部分)(住宅の寸法)(グループホームの寸法)
踏面の寸法15cm21cm以上(両側に手すりがあり滑りにくい素材なら19cm以上)

つまり階段の踏面は6cm変わってくるので、できればメジャーなどを持って行って、グループホームに利用したい物件の階段の踏面の寸法を測ることをお勧めいたいします。

2以上の直通階段の可否

階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

グループホームを開業する予定の物件に一定の条件があれば、2つ以上の階段を設置しなければなりません

普通の住宅を転用する場合に階段は1つが一般的ですから、この条件に合致していれば工事に多額の出費がかかります

そこで2以上の直通階段の可否を判断する要件とは次のとおりです。

・避難階以外の階における寝室の床面積の合計が100㎡を超える場合

ポイントとしては、上階の、それも「寝室」だけの床面積を合計して100㎡を超えるかどうか判断することです。

階段の要件が不十分な場合の対策とは?

階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

これまで戸建や共同住宅を障害者グループホームに転用する際に、特に階段の条件に関してどこをチェックすればいいのか説明いたしました。

まとめると階段の寸法や上階の床面積の大きさを入念に確認すればいいわけです

けれども次のような場合、

「仮に候補物件がその条件に当てはまらなければ、どうすればいいでしょうか?」

そこで階段が建築基準の「寄宿舎」に当てはまらないケースの対策をお知らせいたします。

階段の段差や幅を変える

階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

開業予定の物件の階段の寸法が要件に合致しない場合は、工事をして階段の段差や幅を変えるしかありません。

以下のサイトを確認すると、概算ですが費用は80万円程度かかるそうです>。

階段リフォームの費用相場(リショップナビ内)

開業予定地域で他に物件がない場合、一度は役所と相談をした上で工務店などに依頼し階段の寸法を早期に調整いたしましょう。

上階の寝室面積を少なくする

階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

上階の寝室面積が100㎡を超えてしまうと階段をもう一つ設置する必要があり、そちらは多額の出費がかかります。

そこで対策としては、施設の利用計画を変更し、上階の寝室を少なくするなど寝室面積を小さくいたしましょう。

ただ注意点としては、その分入気人数が少なくなるので事業計画や融資に支障が出る可能性があります

当該物件で何人受け入れることができて、どれくらいの収益が見込めるのか、寝室の個数の変化など複数のパターンを想定し開業準備をいたしましょう。

まとめ

階段の取り扱いの注意点とは?寄宿舎の要件や注意点を解説

空き家など既存の物件を障がい者グループホームに転用する場合、階段の寸法や数に注意いたしましょう。

特に階段の踏み面や上階の寝室の面積にはご注意ください

仮に開業予定物件が上記の条件に合致しない場合、出費を防ぐため早急に対策を整えることをお勧めいたします。


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