障がい福祉データ分析に欠かせない資料「社会福祉施設等調査」とは、どのような内容でオススメの活用法とは?
「社会福祉施設等調査」とは厚生労働省が公表するデータで、目的は次の通りになります。
この調査は、全国の社会福祉施設等の数、在所者、従事者の状況等を把握し、社会福祉行政推進のための基礎資料を得ることを目的とした。
このデータは障がい福祉だけでなく社会福祉全般を扱い、昔は「厚生省報告例」として長い間蓄積されてきた日本の社会福祉の基礎的なデータです。
この記事を読めば、「社会福祉施設等調査」の見方とオススメの活用事例が分かります。
内容としては膨大なデータ量ですので、障がい福祉事業のデータ分析向けにポイントを抑えて読むコツをお伝えいたします。
社会福祉施設等調査とは?
「社会福祉施設等調査」は基本的に「基本票」と「詳細票」に分かれます。
そして対象として「施設」と「事業所」が挙げられていますが、障がい福祉に関しては基本的に「事業所」にあてはまります。
基本票
障がい福祉事業所に関する事業所の種類、事業所名、所在地、経営主体などを公表いたします。
この基本票の特徴としては、「都道府県・指定都市・中核都市」と連携して調査した点です。
つまり国という大きな単位でなく、県単位、都市単位での詳細な障がい福祉事業所のデータが手に入るということです。
統計データの活用法
・対象地域の事業所数を確認する。
・前年度比を確認し増減について調べる
・施設ごとの在所率を調査する
詳細票
障がい福祉事業所に関する事業所のサービスの種類と提供状況(利用者数等)、従事者数などを公表いたします。
この基本票の特徴としては、障がい福祉事業の各種サービスごとに調査した点です。
つまり自分が開業したい、もしくは開業している事業所に則した詳細な障がい福祉事業所のデータが手に入ります。
統計データの活用法
・対象サービスの利用者数を確認する。
・対象サービスの利用日数を調べる
・対象サービスの利用者一人あたりの訪問回数を調査する
社会福祉施設等調査のオススメ活用法!
開業を検討している方
開業を検討されている方は「社会福祉施設等調査」の活用をオススメいたします。
注目すべきは基本票の都道府県別、都市別の施設数です。
もし開業地を決定しておらず、複数の場所を候補とされている方がいれば、こうした統計データを分析するだけで開業に適した経営の場所を選ぶことができます。
地域ごとのデータを分析するための基礎資料
また「社会福祉施設等調査」は、都道府県またはそれより小さな行政単位が発表する独自データを解析するための基礎となります。
厚生労働省など国が発表するデータは一元化されてまとめられていますが、実は探せばそのような地域ごとの独自調査も多く行われています。
厚生労働省のデータを分析するための資料
これまでもお伝えしてきましたが厚生労働省が提供する障がい福祉データをより多角的に分析するのに役立ちます。
特に注目すべきは、詳細票にある障がい福祉サービスごとの利用状況です。
また「社会福祉施設等調査」は調査頻度が頻繁ですので、厚生労働省が提供する障がい福祉データには無い年度なのものも探すことが出来ます。
こうした統計データの多頻度を考慮すると、利用状況についての年度別の推移もこの「社会福祉施設等調査」から読み取れることが出来ます。