障がい者向けのグループホームの物件はどのように探せば良いでしょうか?
新規事業で、もしくは増設目的で障がい者向けのグループホームを開業しようと思った時に、まず直面する課題は物件探しです。
昨今、住まい探しでもインターネットを活用する時代なので、「グループホーム 物件」で探しても利用可能物件一覧はなかなか見つかりません。
実は「グループホーム 物件」で検索すると、グループホーム利用者むけの情報が多く見られます。
すると事業者向けのグループホーム情報はどこで見つければいいでしょうか?
この記事を読むと、グループホーム事業者さまにとって満足してもらえるように、開業予定物件の探し方や注意点、さらにオススメの方法が分かります
これまでお付き合いのあるグループホーム事業所様に伺うと、「不動産屋から紹介された物件は不備があって困った」ということを何度も聞きました。
グループホーム物件の開業条件などの情報はよく見かけますが、リアルな物件探しの難しさについてはあまり書かれておりません。
そこで本日は、グループホーム物件の探し方や難しさについて経験をもとに記していきたいと思います。
障がい者グループホーム物件を探す
グループホームを開業しようとなると、そのための物件を探すことが出発点の一つです。
他の障がい福祉事業と比べてグループホームを開業するためには、設備要件や消防設備など多くの要件を満たす必要があります。
・スプリンクラーの設置の有無、種類、費用はどれくらい?
・消化器の設置の有無、種類、費用とは?徹底解説
・屋内消火栓設備は設置が必要?種類や費用は?
・火災通報装置の設置は必要?その費用は?
・自動火災報知器の設置の必要?費用は?
開業条件を調べて、いざ物件探しとなるはずですが、グループホーム開業予定地はなかなか見つかりません。
そうすると、
なぜグループホームの物件は探しにくいのか?どうして見つからないのか?
という疑問が出てくると思います。
実はこの点を理解することが、グループホームの開業時に融資を受けるときのポイントにもなってきますので詳しく解説いたします。
賃貸物件があまりない
開業予定物件の探し難さの原因に、グループホーム向けの賃貸物件がないという現状があります。
その理由は、
グループホームを開業するのに消防設備など多くの工事と付属設備が必要になる
からです。
つまり賃貸が終わった後に原状回復するのに多額の費用がかかり、物件を貸す側としても本当に原状回復してくれるか不安があるからです。
時に物件の中の間取りを殆ど変更することになり、大きな工事になるので、物件を貸す側も不安が高まります。
賃貸物件のデメリット
賃貸物件で開業すると、確かにグループホーム物件を購入するより遙に費用がかかりません。
しかし時に敷金や礼金を2倍要求されたというケースも耳にいたします。
また賃貸契約をしても、「グループホーム指定申請業務(2ヶ月)+利用者集め」の期間も賃料を払う必要があるので、その分の初期費用を事業計画に入れないといけません。
借地を活用する
グループホームを物件自体を借りることが難しいとなると、次に候補となる選択肢は「土地を借りてグループホームを建設する」ことです。
この場合はもちろん建設費をグループホーム事業計画に入れないといけません。
ただし土地を購入する資金が必要ではありませんし、原状回復をする義務もなく、またはじめからグループホームの条件に合致した建物を建てることができます。
借地のデメリット
まずグループホームに活用したいと言った地主と出会うことの難しさが挙げられます。
土地の所有者にとって検討しているのは土地活用であり、グループホーム以外にも駐車場経営や倉庫など他の候補もあるのですから、グループホーム経営のメリットがいかに多いか説得しないといけません。
さらに建物を所有してグループホームを運営することになるので周辺住民への説明責任も大きくなります。
障がい者グループホーム物件の探し方:おすすめの方法
グループホームの開業には自社で土地から購入し物件を建設するのが容易ですが多額の費用がかかります。
そこで基本的には賃貸か借地になりますが、それぞれ費用も異なり事業計画も必然的に変わってきます。
そうすると、
簡単なグループホーム物件の探し方はありませんか?
という質問が出てくるでしょう。
そこで次に弊社がお手伝いしてきた経験を踏まえ、グループホーム物件のおすすめの探し方をご説明いたします。
金融機関からの紹介
おすすめの物件の探し方は、まず金融機関から紹介してもらうことです。
特に借地でグループホームを始める場合で多いですが、地域の地主と付き合いのある金融機関は、土地活用を検討している方々の要望を聞いています。
綿密な事業計画をたてグループホームの融資を相談している時に、金融機関から地主を紹介してもらったケースがありました。
そのような場合ですと金融機関の融資の審査も通りやすくなり、物件探しだけでなくキャッシュの確保まで開業準備をまとめてすることが可能になります。
行政によるマッチングの活用
次のおすすめの物件の探し方ですが、行政が提供するマッチングシステムを活用することです。
近頃は行政が市営住宅などをグループホームに転用する目的で、事業所を募集しているケースがあります。
特に著名なのは神戸市の市営住宅マッチング事業でしょう。
他にも地域での空きや問題は深刻で行政としても何らかの活用法を模索しておりますから、今後は別の自治体でも、マッチングなどの方法により、グループホーム開業支援をする可能性があります。
こうした行政からの紹介物件の場合、補助金申請や指定申請も併せてすることが可能なので手続きの一元化になり、開業準備がスムーズになるというメリットもあります。
まとめ
障がい者グループホームを開業するのに賃貸物件は数が少なく、自社で建設すると費用がかかります。
そこでオススメの物件探し方として、金融機関からの紹介と行政によるマッチングをあげました。
障がい者グループホームの運営を検討されている事業者様は、日々金融機関とのお付き合いを良好にし、行政からも信頼を得ておくと安心です。
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