障がい者グループホーム用の物件を探しているのですが、良い物件があっても立地が悪く開業できるか不安です。
特にグループホームの開業予定物件と接道の関係は厳しく自治体からチェックされると聞いたことがあるのですが、どのようなポイントに気をつけて物件探しをすればよろしいでしょうか?
建築基準法によれば基本的に建物は2メートル以上接道していることが原則です。
ただしグループホームのための利用には避難し難い方を対象とした事業ということもあり厳しい基準が設けられます。
自治体によっては条例で独自の厳格な基準を適用することにもご注意ください。これから以下のポイントと注意点をご説明いたします。
- グループホーム物件を探す時に接道条件を調べる方法がわかる
- 接道を調べるための公図・建築計画概要書の見方がわかる
- 私道における位置指定道路とは何かわかる
グループホームにおける接道条件の調べ方とは?
障がい者グループホームを開業する物件は、小規模な居宅を利用するにあたっても「共同住宅」として厳しい利用制限を受け、どの程度は道路に面しているという点もチェックされます。
<グループホーム物件のための建築基準を確認>
・【基本】小規模の戸建住宅をグループホームへ:建築基準法の条件や注意点を解説
・【注意】グループホームと道路の関係の注意点とは?旗竿敷地の問題も解説
グループホーム用の物件を探す時にどれくらい道路に物件が接してるか確認することが大事と分かりました。
それではどのような方法で物件がどれくらい道路に面しているか調査すればよろしいでしょうか?
良いグループホーム向けの物件が見つかっても目視だけで道路に面しているかどうか判断することは根拠がないので危険です。
仮に接道条件を満たしていないと開業できない危険性もあるので、これからご説明する方法で慎重に判断致しましょう。
基本:公図を確認する
開業予定物件と道路の関係を調査するには、まず法務局から公図を取得して物件周辺の図面を調査いたしましょう。
<公図とは?>
公図とは各登記所に備え付けられている不動産登記法17条の「地図に準ずる図面」です。
公図を見れば「土地の位置および区画」を特定したり、境界が直線であるか、又は土地がどのように位置しているかなどを確認できます。
公図を取得してまずチェックすることは、開業予定物件が公道に即しているかどうかです。
隅切りや行き止まりがある場合は公道ではなく私道であることが多いです。
公道である可能性が高くても、建築基準法上の道路でなければ開業できないので、自治体に「建築基準法上の道路かどうか」問い合わせて確認することをお勧めいたします。
応用:位置指定道路かどうか調査する
仮にグループホーム開業予定物件が公道に面しておらず私道に接している場合でも、その私道が位置指定道路として認められているのであれば開業できる可能性があります。
<位置指定道路とは?>
建築物を建てることを目的に、自治体から指定を受けて個人が所有する私道のことです。
※奥まった土地に建物を建てる場合、接道条件を確保するため設定する道路のことです。
<位置指定道路に該当するか確認する方法>
・自治体の建築家に行き「道路位置指定図」を見て確認する
・可能であれば「指定道路調書証明書」を発行してもらう
位置指定道路に関して注意は個人の所有もしくは複数の方々の共有になっているケースが多く工事をするにも全員の許可が必要なケースがあるのです。
地番が分かれば位置指定道路の登記簿も取得することができます。グループホーム開業予定の物件に面する道路が位置指定道路であればチェックすることは大切です。
応用:道路認定されなくなった道に面している場合
グループホーム開業予定物件が昔は建築基準法上の道路に面していたが、現在は道路とみなされない道に面している場合、その道が位置指定道路であれば所有権を取得して敷地と見做し旗竿地の扱いをする可能性もあります。
<旗竿地で障がい者グループホームを開業できるのか?>
・【注意】グループホームを旗竿敷地でも開業できるのか?分かりやすく解説します
開業予定物件が道路に面していない場合は、まず建築計画概要書を取得して建築時の状況を確認いたしましょう。
もし建築確認をしておらず道路に面していないのであれば違法建築の可能性が高いのでお勧めは致しません。
前面の道を取得して建物の敷地とすることは、仮にその敷地部分が共有名義の場合、持分だけで建築基準を満たす敷地扱いできるかどうか自治体に問い合わせることが大切です。
まとめ
開業予定のグループホームの物件を探す時、気になる接道の問題についてしっかり理解することができました。ありがとうございます。
特に位置指定道路に面しているかもしれない物件も検討対象になっているので早速実践してみたいと思います。
ありがとうございます。小規模な居宅をグループホームなど福祉施設に転用できるよう規制が緩和されてきておりますが該当物件が少ないのが現状です。
グループホーム向きの物件があっても昔は接道していたが、現在は道路とみなされていない道に面している古い物件も少なくありません。
そうした中でしっかり接道と開業予定物件の関係を理解していただくと開業不可物件を選ぶ確率は少なくなりますのでご注意ください。