質問
「障害福祉事業で「誘導灯」の設置は必要でしょうか?」
障害福祉事業を開業するときに、消防設備を揃えることは費用や時間の面でも事前に対策しておくべき事項です。
その必要な消防設備の中に、「誘導灯」も含まれ消防法の基準上で設置が要求されることもあります。
※誘導灯とは?
マーケット・病院・劇場やホテルなど多数の人の集まる場所の非常口や避難経路に設置され、火災やその他の不慮の事故で停電したときなどに誘導音や点滅などで、経路をハッキリ照らしだす照明器具です
この記事のポイント
・「誘導灯」を設置する必要があるかどうかわかります
・「誘導灯」をどこに設置すれば良いのか判ります
・「誘導灯」を設置する費用がわかります
誘導灯の設置は必要?:判断基準を説明いたします
障害福祉事業で必要な「誘導灯」の種類は次の2種類に分かれます。
- 避難口誘導灯
- 通路誘導灯
それぞれの誘導灯が、開業予定の障がい福祉事業に必要かどうかは「消防法令の6条」を見れば分かります。
消防法令の6条は障がい福祉サービス全体を2つに分けているので、どちらに当てはまるか確認した上で、必要かどうかを調べてください。
6条ロのグループ:全て設置
子どもの障害福祉:障害児入所施設
大人の障がい福祉:障害者支援施設 / 短期入所を行う施設 / 共同生活援助を行う施設(障害区分4以上が約8割超)
この消防法令6条のロのグループに当てはまる障がいサービスの不動産の全てに避難口誘導灯・通路誘導灯の設置が必要になります。
6条ハのグループ:全て設置
子どもの障害福祉:児童発達支援センター / 児童発達支援施設 / 放課後等デイサービス施設
大人の障がい福祉:身体障害者福祉センター / 地域活動支援センター / 就労移行支援施設 / 就労継続支援施設
/共同生活援助を行う施設(障害区分4以上が約8割以下)
この消防法令6条のハのグループも不動産の全てに避難口誘導灯・通路誘導灯の設置が必要になります。
誘導灯を設置する時の注意点!
消防法を参照すれば開業予定の福祉サービスや物件の要件で「誘導灯」の設置の必要性がわかります。
けれども「誘導灯」の設置は消防に関する安全の確保が目的なので、誘導灯の設置に関して安全上の注意が必要になってきます。
- 「誘導灯」はどこに設置するのが適切なの?
- 「誘導灯」を設置する必要はいくらなの?
以下では「誘導灯」を設置する時の疑問について解説いたします。
通路誘導灯の設置場所
まず注意ポイントは、通路誘導灯を設置する場所が消防法により次の通りに規定されていることです。
1 屋内から直接地上へ通ずる出入口の直近の避難上有効な箇所
2 直通階段の出入口の直近の避難上有効な箇所
3 1又は2の「出入口に通ずる廊下」又は「通路に通ずる出入口」の直近の避難上有効な箇所
4 1又は2の「出入口に通ずる廊下」又は「通路に設ける防火戸」で、直接手で開くことができるものがある場合
通路誘導灯は施設の一箇所でなく、屋外へ通じる避難ルートの各箇所に設置しなければなりません。
※通路誘導灯を設置しない例外基準
- 居室の各部分から主要な避難口又はこれに設ける避難口誘導灯を容易に見通し、かつ、識別できる階で、当該避難口に至る歩行距離が避難階にあっては40メートル以下、避難階以外の階にあっては30メートル以下であるもの
- 階段又は傾斜路のうち、『非常用の照明装置』により、避難上必要な照度が確保されるとともに、避難の方向の確認(当該階の表示等)ができる場合
避難口誘導灯の設置場所
避難口誘導灯も同じく消防法により設置場所が次の通りに制限されています。
1 曲がり角
2 「通路誘導灯設置基準の1及び2」の避難口に設置される避難口誘導灯の有効範囲の箇所
3 「通路誘導灯設置基準の1及び2」の他、廊下又は通路の各部分を通路誘導灯の範囲内に包括するため必要な箇所
ポイントは、避難口誘導灯の設置は通路誘導灯の配置とセットで考える点です。
他にも「まがり角」は安全性の観点で重要な場所なので、開業予定施設に曲がり角がどれくらいあるかはチェックしておきましょう。
※避難口誘導灯を設置しない例外基準
居室の各部分から主要な避難口を容易に見通し、かつ、識別できる階で、当該避難口に至る歩行距離が避難階にあっては20メートル以下、避難階以外の階にあっては10メートル以下であるものとする。
誘導灯の設置にかかる費用は?
誘導灯の設置にかかる費用は主に次の3種類です。
- 本体代金
- 工事費用
- 届出費用
下記のサイトを参照すると、1台設置するのにおおよそ11万円必要になります。
ですから「設置しない例外基準」をよく理解し、安全策を講じた上で必要な台数を減らしてコストを削減いたしましょう。
まとめ
いわゆる「誘導灯」の設置は障がい福祉施設には欠かせない設備と言えるでしょう。
特に「誘導灯」をどこに配置するかは建物構造によって大きく変わりますし、安全性の観点で大切なポイントです。
設置の際は消防設備の会社と相談して慎重に設置し、障害福祉事業の開業に向けて準備を進めてまいりましょう。
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