【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します


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 現在、コロナ禍のせいで会社の売上が減り別の事業を立ち上げようと計画しています。
 グループホーム事業は国の給付により売上が安定し、しかも成長の余地があるおすすめの事業と聞いたのですが本当でしょうか?

 障害者グループホームは国の給付があり儲かると考えて開業を検討されている方をお見かけいたします。
 しかし障がい者の人口が増えているからといって必ずしもグループホームの収益が上がると実証されているわけではありません。
本日はそうした障がい者グループホームの経営実態を、厚生労働省の統計データからご説明いたします。

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  1. グループホームの黒字化戦略がわかる
  2. グループホームの事業全体の赤字比率がわかる
  3. グループホームの安定成長の指標がわかる

グループホーム開業は儲かるの?

【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します

<前提>
障がい者グループホームはいくつかの類型に分かれますが本日は、「介護サービス包括型」という一般的な形についてお話しいたします。

障がい者グループホームの経営実態を現在確認するために便利な資料は、厚生労働省がまとめる「障害福祉サービス等経営実態調査」の令和2年度版です

・【基本】障害福祉サービス等経営実態調査って何?基本と活用を知ろう!

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 障がい者グループホームの経営実態をまとめた資料が存在し、しかも厚生労働省が発表しているなんて知りませんでした。
 こうした厚生労働省の資料からどのようなことが分かるか教えてもらえませんか?

 障害福祉事業は国の給付により基本的に成立しているので、今後の給付のあり方などを考えるためにも国がデータを集めて調査しています。
 そしてこうしたデータを分析すれば、障がい者グループホームの経営はどのように成り立っているのか読み解くことができるので、実際の資料を見ながらご説明したいと思います。

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事業者全体で20%は赤字

【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します

まずご確認いただきたいのは、上の障がい者グループホームの収支差率をまとめたグラフです。

<収益差率とは>
(収入ー支出)÷収入で求める割合で、プラスだと黒字で、他方でマイナスだと赤字とお考えください。

 グループホームの収支差率のグラフから実は約20%が赤字であることがわかります。
 確かに収支差率の割合が最多なのは5〜10%の黒字のグループホームですが、確実に黒字と言われるグループホームでさえ4分の1は赤字であることにお気をつけください

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1事業所あたりの収益差=3,525千円

【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します

次に上にまとめた表は令和2年度のグループホームの平均的な収益と支出とその差を記しています。

< 全事業者が対象?>
令和2年度の「障害福祉サービス等経営実態調査」の調査対象は549のグループホームで、回答があったのは337団体なので約60%からの調査結果となります。

 グループホーム事業者数全体の約20%が赤字ではあるものの全体の収支差は約350万円ほどの利益が出ています。
 ただし回答対象者数の6割の答えですので確実なものではなく、この点にご留意ください。
 この統計はグループホーム事業の規模感や収支モデルを考える上で重要な資料になるでしょう

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黒字のモデルは利用者数19名

【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します

同じく上の表からは令和2年度のグループホームの平均的な収益と支出と共に、利用者一人当たりの収入と支出の平均がわかります。

<平均的な収益と支出は何人の利用者数のモデル?>
このモデルで収益は48,510千円になっており、黄色マーカーの箇所から一人当たり2,585千円なので、
48,510千円 ÷ 2,585千円/人 ≒ 19人
という計算になります。

 上記の計算からグループホームの収支差率で黒字になる平均的なモデルでは、利用者数が19人の想定であることがわかります。
 グループホームの開業で必要な共同生活住居は定員が2名からなので、19人というと結構大きな数であることがわかります。

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グループホーム事業の黒字化への戦略

【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します

これまで厚生労働省がまとめる「障害福祉サービス等経営実態調査」の令和2年度版を整理して、グループホーム事業の平均的な収支のモデルや利用者数を確認し、おおよその事業全体の概要がわかったと思います。

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 確かに20%程度は赤字ですが、全体で平均すれば黒字ということがわかりました。
 どのようにすれば障がい者グループホーム事業を安定的に経営できるようにすればいいか、データからわかることを教えてもらえるでしょうか?

 障害者グループホームで儲けるという考えではなく、社会福祉に貢献すると同時に安定した経営を目指すポイントはあります。
 厚生労働省のデータから読み取れる抑えておきたいポイントをしっかりと解説していきます。

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複数のグループホーム

【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します

障がい者グループホーム事業が成功するポイントの一つは、複数の共同生活住居を経営することです。

<目指すは4棟?>
黒字化の目安は利用者数19人ということもあり、定員5名程度の小規模の居宅を活用して障がい者グループホームを始めるなら、
19人/棟 ÷ 5人 ≒ 4棟
になります。

 障害者グループホームを開業するときは始めから複数の共同生活住居を経営していくことを視野に入れてください。
 一般的に20分前後の距離であれば人員配置等も融通が効くので、開業の立地を考えるときに他にも居宅が確保しやすい場所を選びましょう。

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基本報酬単価+α

【包括型】グループホーム開業は儲かるの?厚生労働省のデータから説明します

第二の障がい者グループホームが成功するポイントは、主に利用者一人ひとりに夜間支援の加算を算定することです。

<1人1日あたりいくらが目安?>
上記の「障害福祉サービス等経営実態調査」で利用者1人の利用額が2,585千円なので1日に直すと、
2585千円 ÷ 365 ≒ 7千円 (※つまり基本報酬単価+αがあると想定されます)
になります。

 つまり障害者グループホームで経営を安定させるためには、利用者支援に関して基本的なサービスだけではなく追加で夜間支援などの加算を取得する必要があります。
 ただそうなると追加で人員配置を行わないといけないので、開業当初から夜間支援のパートなどのスタッフの確保にはご注意ください。

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まとめ

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 本日は障がい者グループホームを開業して成功するためのアドバイスをいただきありがとうございました。
 絶対儲かるという言葉に踊らされず、データをよく見て戦略的に事業計画を立てていくことが必要とわかりました。

 日中サービス支援型は比較的重度の障がい者が多く、そのため医療的なケアの連携が欠かせまねん。
 おすすめなのは医療法人や介護事業をしている会社がグループホームを設立されるときに日中サービス支援型を選ぶことです
 自社の他の事業と相乗効果もあり、支援を必要している方への充実したサービスを提供することができるでしょう。

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